みやのもりの家 家具面材

 みやのもりの家の工事請負契約が締結となり、いよいよ工事がスタートします。先日、突板を専門につくっている西区発寒の北海道北三を訪れ、キッチンの扉に使う面材のサンプル作成を依頼してきました。普段、家具の面材はナラの突板を柾目で縦使いすることが多いのですが、今回はクライアントの要望もあり、板目の横使いを検討しています。板目は、柾目に比べて木目がはっきりと現れるので目の入り方によって受けるイメージが大きく異なり、その家具が置かれた空間全体の印象を左右することにもなります。

文字通り材料の山!!この中からこれぞと思ったものを選びます。

 原木の目利きをする土田さんの話しも参考にさせてもらいながら、目が細かく節ありと、目が大きめで節のないパターンでサンプルを作ってもらうことにしました。床・壁・天井の内装に使う材料と、家具・建具の面材は同時に決まっていくので、他の材料の物色も早々に始めていくことにします。

板目節なし。目の間隔がやや広い
板目節あり。木目の幅が密

 今は、料理で言うところの、食材を市場で選ぶような作業をしていることになりますが、選んだ材料を生かすも殺すも料理人の腕次第。設計者の責任は重大です。最上級の材料を使って、存分に腕を振るえることは設計人生の中でそう何回も訪れることではないでしょう。日常使いの材料でも、手間暇をかけて丁寧な仕事をすれば美味しい料理が出来るように、丁寧な設計が心地よい空間に繋がるように普段から心がけています。

 解体工事もまだ始まってないのにこの気合の入り様。クライアントと同じくらいに楽しみにしている自分がいます。